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純文学漫画//文学として、様々な漫画を読んでいきます。 そこに込められた作者の思い。 それを読む読者の思い。 たかが、漫画。されど、漫画。
2006/08/10 (Thu) 純文学漫画 第8回 『The ビッグオー』
THE ビッグオー 1 (1) THE ビッグオー 1 (1)
有賀 ヒトシ、矢立 肇 他 (1999/12)
講談社
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文学漫画第8回 『THE ビッグオー』
あらすじ
『記憶を失った街』パラダイム・シティ。この街の住人は、40年前に起きた“何か”によって、それまでの記憶(メモリー)を?その“何か”に関する事も含めて?全て失っていた。しかしメモリーは、時に思わぬ形でその姿を表す。
主人公のロジャー・スミスは、凄腕のネゴシエイターとしてパラダイム・シティで仕事をしている。
過去の記憶を失って40年、ようやく再建されはじめた街の法秩序は完全ではなく、ネゴシエイションを必要とする場面は多い。だがしかし、そんな街において交渉だけで事が済む場合は少なく、暴力に訴えてくる相手も多い。そんな時、彼はメガデウス・ビッグオーを持ち出し、力に力で対抗する。
そんなある日のこと、ロジャーはひとつの依頼を受ける事になる。令嬢誘拐犯とのネゴシエイトという、彼にとっては朝飯前の依頼であったが……?

<文学ポイント>
ゴシック調の舞台背景を持つこの作品。人によって好き嫌いが別れるのですが、(自分の周りです。)私は、好きです。基本、シンプルな画面構成で純粋に”絵”を楽しませてくれます。

私は、アニメの方は未見ですが、ゴシックな感じだそうなので是非見てみたいです。

自分で設定した事なのですが、ゴシックな文学とは難しいです。
それは、なぜか?
ただ単に、ゴシックを扱った文学等は多く有ります。『吸血鬼ドラキュラ』等がこれに上げられます。
しかし、『The ビッグオー』においてゴシックは味というよりは風味です。

ゴシックな絵ですね。意識して作っているゴシックの中では、なかなかいい色の配色をしていると思います。文学先品の場合、その文章の中からゴシックを読み取らなければいけないからです。
そもそも、ゴシックとは何でしょうか?
私は、それを一つの思想というか、様式美だと思います。
いろいろと、ゴシック文学は有ると思いますが『オトラント城奇譚』を、ここでは読んで欲しいです。『The ビッグオー』には、『ネゴシエーター』や、『巨大ロボット』など、色々な現代日本的な要素が入っていますが、作中の怪奇性は、『オトラント城奇譚』が結構近いかなと思います。
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2006/08/09 (Wed) 純文学漫画 第7回 ドロヘドロ
ドロヘドロ 1 BIC COMICS IKKI ドロヘドロ 1 BIC COMICS IKKI
林田 球 (2002/01)
小学館

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<あらすじ>
主人公カイマンは、何者かに魔法で頭を爬虫類(ワニかトカゲに酷似)の頭に変えられ、記憶を奪われた男。
記憶を取り戻す為、日々「ホール」に魔法の練習に来る魔法使いを狙って、魔法使い狩りに興じていたが……(wikiより抜粋)

文学漫画 第7回 ドロヘドロ
今回の純文学漫画は『ドロヘドロ』です。
不思議な作風ですね。グロテスクです。
しかし、かわいいのです。

社会の傾向として、2つの相反するものをハイブリッドして好評を得ています。
某エロかっこいい歌姫等が、その例です。
この作品は、それにならって『キモ可愛い』です。
『グロほんわか』というか。

さて、物語は唐突にそして、残虐に始まります。
主人公のカイマン(トカゲ)は、いきなり噛み付いているんですね。
掴みはなかなかすごいです。

そして、この世界には人間の世界と、魔法使いの世界が有ると説明されます。
そして、2つの世界を行き交う存在がいて…
と、まるで『不思議の国のアリス』のようです。

しかし、ファンタジーの産物である、”魔法使い”
を使っていますが、そこには徹底した力有るものからの暴力を感じます。
劇中でも、ほとんどの人間が魔法使いに何かしらの魔法を受けています。

その点から、このドスファンタジー『ドロヘドロ』は、
『甘美なる暴力』を、思い起こします。
※どういう神経だ!と怒る人も多いと思いますが、素直な感想です。
読む機会のある方は、合わせてどうぞ。

2006/08/07 (Mon) 純文学漫画 第6回 アイシールド21
純文学漫画第5回 『アイシールド21』
アイシールド21 20 (20) アイシールド21 20 (20)
稲垣 理一郎 (2006/08/04)
集英社
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あらすじ
私立泥門高等学校に通う気弱な高校生、小早川瀬那は入学早々ひょんな事から泥門高校アメフト部"泥門デビルバッツ"に主務として入ることになった。その帰り道、彼をパシリにしていた不良たちに絡まれ、逃れるために泥門駅まで爆走して駆け込み乗車をした。それを目撃したアメフト部主将ヒル魔に翌日強制的に選手にされ、唯一の取り柄である俊足で選手登録名「アイシールド21」として春大会を戦うことになる。緒戦は助っ人を多数借りながら勝ったものの、次の試合には強豪「王城ホワイトナイツ」に敗れてしまう。しかしセナは最強のラインバッカーである進に心の底から勝ちたいと思い始める。元野球部のモン太を加えて「賊学カメレオンズ」に大勝し、さらに新メンバー雪光、小結、ハァハァ3兄弟(十文字・黒木・戸叶)も加わって「太陽スフィンクス」と引き分けるが、「NASAエイリアンズ」に惜敗。その後アメリカに来たデビルバッツメンバーはそこで前身「麻黄デビルバッツ」時代のトレーナーどぶろくと会い、強化プログラム「死の行軍」で特訓を行う。途中、瀧兄妹と知り合いながらも脱落者0で完走。秋季東京大会を勝ち上がり、そして全国大会(クリスマスボウル)出場を仲間達と共に目指していく。(wikiより)

最新刊の発売されたアイシールド21を今回は取り上げます。

皆さんは最近、何かに熱中していますか?
高校野球を見ていて、別の競技でしたが自分もあの時代は燃えていたなと思い出します。
アメフトの競技人口が、この漫画の影響で増えたそうです。
一部の地域では21番の選手だけアイシールドをつける事が認められているそうです。

今までにも、『キャプテン翼』や『スラムダンク』でスポーツ漫画を排出してきたジャンプですが
この作品がニ作品と違うところは、主人公の弱さに有ると思います。

キャプテン翼は、主人公がサッカー大好き少年でした。
スラムダンクも極論すれば別のスポーツでも可能でしたでしょう。バレーとか。
一個ある長所を使うという面ではスラムダンクの背の高さも言えるでしょうが、
そもそもバスケットボール自体に背の高さを要求されるのでまた違う感じです。

アメフトならば、その弱点が個人のアイデンティティとなり得ます。
今の日本は没個性の時代だと大人は思っていますが、実際にはみんな個性的です。

この作品は現在アニメ化されています。なかなか劇場版が出ないところを見るとあまりおもしろくないのでしょう。

私は、この作品を読んで『誰がドルンチナを連れ戻したか』を思い出しました。
これもここと言うポイントが無いので、なんとも言いがたいですが。
読んでいるときの感覚はわかっていただけると思います。

2006/08/05 (Sat) 純文学漫画 第5回 『武装錬金』
武装錬金 1 (1) 武装錬金 1 (1)
和月 伸宏 (2004/01/05)
集英社

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純文学漫画 第五回 『武装連金』
あらすじ
私立銀成学園高校の2年生武藤カズキはある日の夜、廃工場で巨大な怪物に襲われていた少女を助ける。だが、カズキは怪物によって心臓を貫かれ殺されてしまった…はずだったが、それは彼の中で悪夢となっており、翌朝も無事だった。
昨夜何が起こったのか分からないカズキの前に夕刻、再びあの怪物が現れる。怪物の名称は「ホムンクルス」。人に潜み人に化け、人を喰らう怪物(モンスター)だ。昨夜のカズキの死は、事実だったのだ。
危機に陥るカズキだったが、彼の体の中には失った心臓の代わりに「ある物」が埋め込まれていた。その「ある物」とは、錬金術の粋を集めて精製された超常の合金、核鉄(かくがね)。核鉄が秘めし力は「闘争本能に呼応して発動する、“唯一無二の武器の創造”」。
“錬金術”によって造られたホムンクルスは、同じ“錬金術の力”以外では斃せない。朧気に蘇ってきた少女の言葉に助けられ、ホムンクルスに飲み込まれた妹・まひろを救う為、カズキは叫ぶ。
「武装錬金(ブソウレンキン)!」
核鉄から創り出した突撃槍(ランス)の武装錬金の力で、カズキはホムンクルスを撃破し、まひろを救出する。そこに昨夜助けたあの少女が現れ、ホムンクルスにトドメを刺す。彼女、津村斗貴子も武装錬金の使い手だった。ホムンクルスはまだこの町に潜んでいる。町を、人々をホムンクルスから守る為にカズキはホムンクルスと戦う事を決意。今、カズキと斗貴子の戦いが始まった。

もうすぐ、アニメ化です。
私は、前前作の『るろうに剣心』で、この作者を知りました。

付き合いは古いのですが、その頃はそんなに漫画ばかり読んでいた訳ではないので
この作品の事を知ったのもつい最近だったりします。

<文学ポイント True Hero>
ヒーローとは何でしょうか?
世界中にはいろいろといます。
『DRAGON BALL』の悟空などは日本のヒーローと言えるでしょう。

主人公の武藤かずきは、生まれもってのヒーローです。
力の無いヒーローです。誰かの為にカラダは動く、そういう感じのヒーローです。
そして、そんな彼が脅威から誰かを守る為に得た力。それが武装連金。

ヒーローというものが求められるジャンプにおいて、それはとても特殊なヒーロー性だったと思います。悟空との違いは、単純な強さを求めた悟空と誰かを守る為の力を求めたかずき。両方とも時代を表したヒーローだと思います。

似た文学作品が浮かばないのですが、名作なので紹介します。

2006/08/05 (Sat) 純文学漫画第4回 エノ素
えの素 1 (1) えの素 1 (1)
榎本 俊二 (1997/11)
講談社

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純文学漫画 第4回 エノ素
今回紹介する文学漫画はエノ素です。
この作品では、『死』が軽すぎます。
一つの話で1人は確実に死にます。
それぐらい死が軽いです。


2006/08/01 (Tue) 永井豪とカフカ
純文学漫画 第三回 デビルマン
デビルマン (1) デビルマン (1)
永井 豪、ダイナミックプロ 他 (1997/04)
コミックス
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あらすじ(wikiより抜粋)
伝説の中のみの存在と思われていたデーモン(悪魔)が実在し、現代も氷の中で生き続け、そして地球を人類の手から奪い返すべく無数のデーモンが永い眠りから目覚めつつある事を親友の飛鳥了によって知った主人公・不動明は、強大なデーモンに対抗する為に全てのデーモンが持つ能力・合体によって悪魔の力を手に入れる事を決意する。人間がデーモンと合体し、人間の心を持ち続ける為の条件は“理性を失っている状態でいる事、デーモンの意識を抑える強い意思、善良で純粋な心を持ち、正義を愛する若者である事”。全ての条件を備えた明はデーモン族の勇者・アモンとの合体に成功する。合体に失敗した人間・了と共に、明は人間の心も持つ悪魔人間・デビルマンとしてデーモンたちと戦う決意をするのだった。
次々に迫り来るデーモンの刺客たち。明の知人の中にもその犠牲になる者がでていた。そして遂にデーモンが総攻撃に打って出る。思いもよらぬデーモンの攻撃に戸惑いを覚えつつも、人類は近代兵器を駆使しデーモンに大きな被害を与える。
そこでデーモンは思わぬ手段に出る。人間との無差別合体を開始したのである。理性のある人間との合体はデーモンにとっても死を意味する。一人一殺では数の上で圧倒的に悪魔側に不利である。ところが一見自滅行為に思えるこの作戦は大きな効果を得る。世界的な権威・雷沼教授が、悪魔の正体を社会に不満を持つ人間としたため、お互い疑心暗鬼になった人間は悪魔狩りの名の下、悪魔特捜隊を組織して中世ヨーロッパの魔女狩りの如く、悪魔と人間の区別もつかないまま悪魔と疑わしき人物を次々と逮捕・拷問にかけていった。
明は事の成り行きを見守っていたが、我慢の限界を迎え了の制止を振り切り独り戦いに出る。しかし多勢に無勢。明・デビルマンは大勢のデーモンに囲まれる中、サイコジェニーの精神攻撃に倒れる。デーモンが我先にとデビルマンにとどめを刺そうとするまさにその時、魔将軍ザンが止めに入る。魔王ゼノンに逆らってもデビルマンを倒そうとするデーモンに対して、ザンは、魔王ゼノンよりも上位である大魔神サタンの意向であることを告げた。
帰還した明の無事にホッと胸をなで下ろすと共に悪魔特捜隊が悪魔狩りを行っている事をニュースで知った了は、悪魔を見分けることは人間には無理と笑い飛ばす。しかし、了は、自分の思い通りに物事が進んでいることを不思議に思った。
無差別合体は人間の自滅を促す効果を生んだが、一方で、偶然理性を失っている時に無差別合体を受けた人間の中にデビルマンとして覚醒する者もいた。その事を知った明は悪魔として悪魔特捜隊にとらわれている仲間(デビルマン)を救い出しデビルマン軍団を組織しようと考えた。
了は振り出しに戻り最初から考え直す為にこの事件の発端となった自分の家に向かう。自宅に戻り悪魔実在の唯一の証拠である悪魔の歴史を刻んだ石像がただ石膏に夜光塗料を塗っただけの代物であった事、本来自分が写っているはずのアルバムの中の写真に全くの別人が了として写っていて、しかもその了は交通事故で既に死んでいた事を知り混乱する了。そこに無数のデーモンとサイコジェニーが現れ、了を迎えに来たという。了の中で全ての謎が氷解した。
了はテレビにでていた。それを牧村家で見ていた明は、了が真実を話し、人類を救うデビルマンの存在を世に知らしめてくれることを期待した。しかし了は不動明を含む友人達が悪魔に取り付かれたとし、牧村夫妻は悪魔特捜隊に悪魔をかくまったとの罪を着せられ連行されて殺される。デビルマンは怒りのまま悪魔特捜隊本部を全滅させた。
人類に絶望した明であったが、唯一自分が戦う意義として牧村美樹を守ることを見出し、美樹の下へと走る。しかし、狂気に身を任せた近所の住人たちは残った美樹や弟のタレちゃん達を惨殺。美樹の生首を槍の先に掲げて人々が狂喜乱舞している禍禍しき地獄絵図であった。
美樹を殺した者たちを焼き尽くし、全ての希望を失い、デビルマンは人間達を救う戦いをやめた。後戻りも出来ぬまま、デビルマンはデーモンの支配者であるサタンとの決戦に臨む。
束の間の邂逅。明は人類を裏切った了に会う。明を前に了は、デビルマン軍団と戦わず、デーモンの作る新しい時代を共に生きたいという。
記憶を取り戻した了・サタンは、人間の弱い心理を突いた計画が思った通りに進み人類が自滅していくさまを喜びつつ、唯一の誤算に悩んでいた。実はサタンとは両性具有の存在であり、そのため人間・了として生活するうちに明を愛してしまっていたのだ。明とアモンを合体させたのは、人間を守るためではなく明に(悪魔の)力を与えて生き延びて欲しい為だったのである。しかし明はデーモンに加担しないどころか、徹底抗戦の構えだ。愛するデビルマンと戦わなくてはならないこの誤算にサタンは苦悩した。
それから数十年。激しい戦いが続き全ての人類が息絶えた中、サタン・了率いるデーモンとデビルマン・明率いるデビルマン軍団の最終決戦・アーマゲドンは幕を下ろした。両軍ともにデビルマン・明とサタン・了を除き全滅した。
戦いを終え、サタンは明に語りかける。かつて地球はデーモンが支配していた。しかしそのデーモンは自分達を作ったはずの神に"争いばかりして醜い"との理由で滅ぼされかけた。そのことに反発したサタンはデーモンサイドにつき神の軍団と戦い、そして勝利して眠りについた。しかし永い眠りから目覚めると、地球は人間に支配されていた。命を懸けて神の手より取り戻した地球が荒らされている。そのことが許せなかったサタンは人間達を滅ぼそうと決意したのだ。しかしサタンは、結局かつて神たちがデーモンにしたことをまた自分が人間に対しやってしまったことを後悔していた。明に謝罪するサタン。
サタンが語り終えた時、明は息を引き取っていた。その下半身は無残に引きちぎられていた。サタンのみを残し全ての命が絶えた地球に神の軍団が降臨し、物語は幕を下ろす。

<文学ポイント1 版を重ねる>
エログロナンセンスというサブカル3種の神器を操る巨匠、永井豪の初期傑作です。
版を重ねるごとに時代的評価を得る本当の意味で傑作です。
優れた読み物には時代を超えて人に愛されるという側面があります。
永井豪の初期の作品はいつまでも人に愛され、おそらく未来永劫、版を重ねてくでしょう。
版を重ねるという事は時代を選ばないという事です。
そこで表される風景も細かなビルの違いなどは有るでしょうが、基本的にそこまで変わる事はないでしょう。

<文学ポイント2 カフカ>
やはり、変身といえばカフカでしょう。仮面ライダー等、日本には多くの変身ヒーローがいますがダークサイドの力と融合したというのはデビルマンくらいではないでしょうか。

カフカの『変身』も自分が奇妙な存在になってしまったところから始まります。
そして、きわめて写実的に淡々と描写されていきます。

その写実性と人間の描写は、牧村邸を襲う人間とどこか似ていると思います。
死んで納得という人間の本性めいたものを納得させる力が両作品には有ると思います。